お寺大好き!
  日本の心を知るにはどうすべきか。こんな問いに、古来より多くの人々が答えてきた。
  座禅を組め、茶道・華道を習え、いや、剣道だ、空手だ……

  このように侃々諤々の議論がある中、私が強くお薦めしたいのが、私も大好きなお寺を訪ねることである。

 その理由は2つある。まず第一に、お寺にはそれが作られた当時の最高の職人が作り上げた「美」がある。第二に、お寺には仏の教えに根ざす「智」がある。この二つが渾然一体となったところにお寺の素晴らしさがあり、ここに「日本の心」の一端が垣間見えるのである。

  ところで、皆さんは「いくらお寺が素晴らしくても、それはもう時代遅れで、今の日本を知るのには全然役に立たない。」という誤解を抱いてはおられないだろうか。

  確かに、現代日本では仏教は「葬式仏教」という不名誉な通称で呼ばれており、もはや現代社会に影響力を持っていないようにも思える。

  しかしながら、それは誤解である。現に、今でも多くの若者が、仏の智慧と義理人情を併せた観念である「仏智義理」を「サイコー」の概念として日々爆走しているのだ。

  幸いにして、私の住む関西には、数多くの素晴らしいお寺がある。私の大好きなお寺のいくつかを皆さんに紹介できることは、私にとっても幸いである。


第一回:天王寺

第二回:長興寺

Special thanks to Mr. 詰めにくい
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