チバラギ県のはずれ、関東平野の端に、その道場は存在する。
何回か健康道場の取材をした私だが、この道場ほど不思議な光景を目の当たりに
したことはなかった。
入場者全員が、笑っているのだ。
ある者は赤塚不二夫の漫画を、またある者は松本人志のビデオを見て、げらげら
笑っている。
他にも、転がるラッキョウを見る若い女性、キノコ鍋をつつく初老の男性、さら
にはお互いをくすぐり合う「つがい」らしき男女……
「笑いは…うはは…体内の免疫力を高め…うけけけ…自然治癒力を高めるのです
…ヒー…。」
道場長の岡泰敏氏は私の取材に笑顔で応じてくれた。
さらに、氏によると笑いは消費カロリーが多く、ダイエットに最適だという。
減量にも効果があるということで、ウエストが気になる筆者も、早速この健康法
を試してみた。
が、結局ぴちぴちのワイシャツのボタンが1個飛んだだけに終わった。
これが、そばにいた他の入場者たちの爆笑を買ったことはいうまでもない。
道場長に話を聞くと、減量するには、最低一日12時間の笑いを、2週間続ける
必要があるという。取材時間の関係上、私自身の減量は断念せざるを得なかった。
取材を終えて帰途につこうとしていた時、一人の入場者が道場の看板を指さして
笑い転げているのを見た。
「それにしても…はは…岡道場長が考えた健康法だからって『おかしき健康道場』
って…はは…ば、莫迦莫迦しいよな。」
*健康法豆知識……岡泰敏さんの考案した「おかしき健康法」は実在しませんが、田野泰敏さんが考案した「たのしき無薬養生法」というのは実在します。万一方法を知りたい方がおられましたら、メールでお問い合わせ下さい。ただし、試してみた結果について、当方では一切責任をとりません(笑) |